ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス / EX Libris: The New York Public Library


EX Libris: The New York Public Library
Dir: Frederick Wiseman

「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」
監督:フレデリック・ワイズマン
Official Site
http://moviola.jp/nypl/
I saw this film on 20th May 2019 at Iwanami Hall in Jimbocho, Tokyo.
2019年5月20日 岩波ホール

岩波ホールで鑑賞しました。
巨匠フレデリック・ワイズマン監督の映画を初めて観たのですが
二元論ではない多面的で重層的な構成でとても面白かったです。


孤立させないように市民の自宅でのネット環境を整えるよう働きかける話などは従来の図書館のイメージを更新したし、
市民が主役の図書館として多様な境遇や価値観を持つ人々に多様なまま柔軟に対応していく姿勢、
情報に弱い人の砦としての姿勢、を丁寧に追ったドキュメンタリーで
ワイズマン監督は広大で豊かな視野を持った方なのだと本当に感動しました


休憩ありの3時間超の長尺でしたので
映画を体験するという感覚もあり


やー
とても大らかな宇宙に包まれながら
自分の知識と視野を広げてもらったような
素晴らしい体験ができてアメイジングという感じでした


インターネットやパソコン、デジタルの普及が
図書館を時代遅れのものにするのではなく
逆に図書館を能動的な場所に進化させみんなを能動的にしている


スパイダーマンのようなひとりのヒーローの時代ではなくなったというようなことなのかしら?
(スパイダーマンもヒーロームービーもずっと大好きなのですが)


映画の中で個人的にも大好きなガルシア・マルケスのマジックリアリズムについて超現実的描写ながら本質を突いているというようなことを話す場面があるけれど


フレデリック・ワイズマン監督の視座の広さ確かさと本質を捉える力それを説明する力また攻撃的でない紳士さ、宇宙のようで


私もひとつの考え方に固守しないでもっと進化したいと考えさせられました
本当にびっくりしちゃったな


長尺ですしシネフィルではない
若い層には届きにくいのかもしれないな、とは思うけれど、こういう映画も観ておくと本当に世界が広がると思うので
というか多層的な視座があると世界が優しく感じられるのだな
押しつけるのではなく自然に伝えてくれる暖かい人間による映画で本当に素晴らしかったです。


私はフレデリック・ワイズマン監督はまだ1本しか観ていないので、これからたくさん体験出来ることが嬉しいです😆。


ご興味がおありのかたはぜひ映画館へ